そもそもワークショップって?
ワークショップというワード、最近よく目にしたり耳にしたりしませんか?
街のイベント、行政が主催しているもの、大学で、美術館で、博物館で、はたまた会社の研修で等、ポスターやチラシでワークショップをやりますよという告知を僕は最近よく見かけます。ワークショップって何語?造語なのかな?いったい何をすることをワークショップっていうんだろう?
ワークショップ(workshop)は、日本では「参加・体験型講座」を指す専門用語。
一緒に何かをつくるところ「工房」「仕事場」「作業所」がもともとの意味です。さまざまな立場の人が集まって、自由に意見を出し合い、お互いの考えを尊重しながら、意見や提案をまとめあげていく場でもあります。
ワークショップは演劇や美術の世界でよく行われていたメソッド(method=方法、方式)で、プロの役者やアーティストだけでなく、その世界に興味のある人や子供たちが参加し、実際にその場で与えられた課題や創作活動を体験をしながら学んでいくためのものだったようです。それ以外でも、まちづくりや心理学で発展し、さらにビジネス系や多様な分野で展開していますね。
講座を受けるといえば、普通は座学で学ぶというイメージですよね。ワークショップは実際に「参加する、体験しながら学ぶ」ので、受講者は受け身ではなく、学ぶということに対して能動的な立場を自然と取ることになります。
単に話を聴くだけの一方的な場ではなく、グループの相互作用の中で双方向的なコミュニケーションを取りながら、トップダウン・ボトムアップといったピラミッド型社会ではなく、ウェブ・サークル型(ネットワーク型)社会を場では目指しているようです。
参加者に正解だけではなく自分が納得した答えに意味があること、自分の代わりはいないこと、その人しかできない表現、思考、存在があることに気づいてもらうこと、そんな目的もあるようです。ワークショップ、なかなか奥が深いですね!セミナー形式ではなく、ワークショップ形式で講座を開きたくなります。
では、実際にワークショップを開催するとして、大事なこと、それはファシリテーターの存在!
ワークショップの進行役のことを「ファシリテーター」といいます。もともとは「容易にする、促進する」などの意味のfacilitateからきています。ファシリテーターは色々な立場の人たちが色々な意見を述べる場において、それらの意見をまとめあげていく、重要な立場にあります。
空間、雰囲気といった場づくりから始まって、問いを立て、人と人との関係の質を高め、参加者の思考の質、行動の質を高めることまでをもファシリテーターは担います。1人で行う場合もありますが、参加者の人数やワークショップの内容によってはメインファシリテーターとサブファシリテーターを置く場合もあります。
ファシリテーターは経験の有無、回数による場慣れ感ももちろん大事ですが、まずは人を観る力が重要なんではないかと僕は思っています。「人は違う意見を持っていること」「他者から学びあうことができること」参加者にそれらの気づきを与えられるか、そして参加者が「私はわたしのままであってよい」ことを認識することができた時、ファシリテーターはその場での成功を促せたと僕は思うのです。
これからの時代にワークショップ形式でものごとを学ぶことは、今後ますます必要かつ自然なやり方だと思います。ファシリテーターの知識やスキルを多くの人が持つことができれば、多様な社会はもっと平和でハッピーな世界になれるはず!